『図解雑学現代思想』

小阪修平 著 ナツメ社

2010/7/3

   先に『はじめての哲学史』を読んでその後、現代思想の部分を補強するために購入しました。現代思想につて総合的に紹介している入門書はなかなか見つからなくて、ようやく辿り着いた感があります。
 現代思想は解りにくいです。
 これはナツメ社からシリーズで出版されている中の一冊で、図解雑学の名前のとおり、文章でじっくり読ませる本ではなく、キーワードと図で解りやすく説明する本であります。「絵と文章でわかりやすい!」というキャッチがついています。編集方針がそうでありますから、わかりやさを追求されありがたい反面、興味本位な記術、独断的な表現が多くなり鵜呑みにしてしまうには危うさを感じます。
 わかりやすくするということは、相手の興味をそそり、単純化し、ほかと明確に違っている部分を強調するということにならざるを得ないのです。つまり表面的な知識にとどまり、深まることは難しいのです。だからといって間違ったことを書いてあると言うのではありません。この本から深く読み解くことが難しいというだけのことです。
 そして私はこの本を読んで理解できたかといえばやはり難しかったです。この本では、細かい部分をそれぞれに解りやすくする書き方をしているので、却って全体像をつかみにくいのではないかと思います。



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