『創世記の科学〜脳と心の問題に答える〜』

野村健二 著 世界日報社

2010/10/30

   統一教会系の本です。
野村健二先生は「しあわせってなんだろう」の作者です。 しかし、教会系といって侮る無かれ。

一部ご紹介します。
「眼球は精密なレンズであり、外界は眼球を通って網膜にきちんと倒立像(逆立ちの像)を結ぶようになっており、 両眼の視差で奥行きが感じられるようにもなっています。 それは精巧きわまりない一種の写真機です(それ以外の多様な機能も併せ持っていますが)。
 分子生物学の研究でノーベル賞を受けたモノー(1910〜76)は、唯物論的な傾向の強い人ですが、 それでも目のこのような特性のことを、「合目的性」と呼ばざるをえませんでした。 その他、鼻、口、手、足など、人体のどこをとっても、 この種の合目的的な構造と性能を備えていない所はありません。
 写真機は、外界の映像を紙上にそのまま複写しようという明確な目的のもとに、 長い間考え抜いて精密な設計図を描き、それに従って製造されたものです。
 目に目的があるかどうか、またその目的のもとに思考が行われたかどうか、直接には分かりません。 しかし、設計図はあります。それは、人体の各細胞の染色体のうちにあるDNAらせんです。 周知のように、このDNAを構成する四種の塩基…」

全体がこんな調子で書かれています。 18年も前の本なので、脳科学の研究状況に古さが目立ちますが、 この本の視点はまだまだ強烈です。 このテーマを扱う書籍の多くが心は「脳によって作られる」という前提の下に書かれていますが、 この本は、「脳は心の乗り物である」という観点で書かれています。



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